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ザ・ファブル 2021 [映画]

諸般の事情で仕事も私生活も抑えているのだが、久しぶりに映画を観てきたのでブログを更新しておこう。コロナ渦中に映画館へ行くのは如何なものか?とも思ったのだが、平日の昼はガラガラで少し安心。
一作目が面白かったので続編も是非観たいと思っていた。アクションは良かった、一方で物語はかなり複雑だ。多分、今回のザ・ファブルが描いたのは「歪んだ愛」では無いかと思うのだ。初っ端から豪快なカーアクションで魅せられてしまうが、その中にあるヒナコの泪から物語は始まる。そして登場人物の思いは非常に複雑だ。ファブルの気を引きたいのに素直には言えないミサキの愛は至極普通。(登場人物の中で普通なのはミサキだけだ)そのミサキを盗撮する事でしか愛を表現できない貝沼。散々迷惑を掛けてきた両親を失って初めて家族愛に気づき復讐に燃えるヒナコ。ヒナコに思いを寄せるが住む世界が違うと自ら思いを押しつぶす鈴木。ファブルに殺された弟の復讐を誓う宇津帆。歪んだ愛増が渦巻く世界を暴力的に描いている。中心は宇津帆だ。弱いものしか愛せない。強いものは平気で殺せても弱いものは守りたい。このアンバランスで暴力的で愛を感じる役を堤真一が見事に演じている。少しづつ破綻しながら最後まで愛を感じさせる非常に難しい役だったと思う。他に出来る役者はいるのかな?佐々木蔵之介なら出来るかも知れないな。豪華な俳優陣の中で平手友梨奈の演技はかなり見劣りしたが、華奢なキャラクターに助けられて頑張っている感が良く出ていたのでまずまずだろう。しかし、ふんだんに盛り込まれたアクションの中で一番奇麗に決めていたのは木村文乃だと思うのは私だけだろうか?線が細く弱そうで実は強いと言うキャラクターが嵌っていた。ひょっとするとアクション女優として覚醒するかも知れない。
あれだけ高い所から落ちれば何人かは死ぬだろうなぁ...と突っ込みながら観ていたのだが、豪快なアクションだけでなく心の動きにもシンクロして観ればより楽しめる映画だと思う。